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スポーツ栄養学
バレーボール

競技特性

・レクリエーションスポーツとしても親しまれている国民的スポーツ

バレーボールは長い歴史の中で、6人制バレーボールや、ビーチバレーボール、ソフトバレーボールなど、環境やプレーヤーによってコートの広さ、ボールなど様式を変化させながら多くの人に親しまれているスポーツです。選手はネットで区切られたコートで、手や腕を使ってボールを繋ぎ、相手コートにボールを落として得点を狙います。6人制バレーは選手数が多く、多彩な攻守のパターンがあり、強烈なスパイクやアタックは試合を盛り上げ、観客を魅了します。

また、バスケットボールやサッカーと比べると、選手同士の接触プレーの少ない競技で、比較的、危険性を伴わず、安全に行える魅力があることから、生涯スポーツとしても取り入れられています。

 

バレーボール選手が目指す身体

・身長の高さはアドバンテージになる

・関節可動域の広さ

ネットが高い位置にあるため、ジャンプの動作が多く、ボールを打つ打点の高さも攻撃を高めるための重要なポイントですが、これらの動作では関節に負担がかかり、日頃からのケアは必要不可欠です。また、ボールを打つ動作では指や手首、肩などの関節の可動域が広いことで、ケガの防止や技術レベルの向上にも大きく影響が出る要素です。

 

求められる能力

・スパイクを打つための「パワー」

・ボールを追いかける「瞬発力」「スピード」

・自コートにボールを落とさない「集中力」

試合で得点に繋がるような、アタックやスパイクを打つためにも基礎筋力は必要です。また、動きに変化のあるボールを追いかけるにもスピードや瞬発力、俊敏性も備えておきたい能力です。

また、フルセットの場合は、試合開始から終了までに2時間半ほどにわたるとも言われています。長丁場の試合でも、切れることのない集中力や持久力、メンタルの強さなど、バレーボール選手は身体・精神ともに高い能力が求められていると言えるでしょう。

 

バレーボール選手の身体を作る食事

・瞬発力・俊敏性に働きかける食事

・力強いスパイクを打つためのパワーをつける食事

・疲労やケガの回復を早め、持久力を養う

・水分補給をしっかりと

・貧血対策も忘れずに

バレーボールの動作で特徴的なのが「ジャンプの多さ」です。ブロックやスパイクサーブなど、試合中に相手の攻撃に合わせて身体を瞬時に反応させ、何度もジャンプを行うので膝や腰、関節への負担がかかるため、ダメージを回復させるためにも、必要な栄養素を毎日の食事で摂取する必要があります。

サーブやアタックなどの攻撃で、力強いプレーを行うには、筋力を高めておくことも大切です。筋肉をつける食事を摂ることも意識すると良いでしょう。

また、扉を閉め切った屋内で行われるので、熱中症対策のためにもこまめな水分補給も

しっかりと行いましょう。

バレーボール選手に必要な栄養素

・基本は五大栄養素

アスリート共通の食事のコツです。様々な食材から摂るようにしましょう。

瞬発力・俊敏性を養う

・カルシウム・マグネシウム 

カルシウムには神経の伝達物質の働きを調節する働き、マグネシウムには情報伝達物質の量をコントロールする働きがあると言われています。いずれも神経の働きには欠かせない栄養素です。

カルシウムが多く含まれる食材・・牛乳、ヨーグルト、ひじき、魚、小松菜、青梗菜など

マグネシウムが多く含まれる食材・・アーモンド、大豆、干しエビ

 

力強いスパイクを打つための力をつける食事

丈夫な筋肉をつけること、骨を強くして身体の基礎をしっかりと作ることが大切です。

・たんぱく質

筋肉だけでなく、骨や内臓、血液などの材料となるたんぱく質は一度の試合でエネルギー消耗も激しいアスリートには積極的に摂って頂きたい栄養素です。

・ビタミンB6

たんぱく質を代謝させるのに必要な栄養素です。

食材・・鶏ささみ、マグロ、ピーマン、にんにく、バナナ

・カルシウム

骨折を防ぐためには、骨の材料となるカルシウムも摂っておきたい栄養素です。牛乳、ヨーグルトやチーズはカルシウムが吸収されやすい食品なので積極的に摂りましょう。また、カルシウムは魚の骨にも含まれているので、缶詰や骨ごと食べられる小魚もおすすめの食材です。

食材・・乳製品、魚類、小松菜、海藻類

・ビタミンD

カルシウムと一緒に摂ることで、カルシウムの吸収効率を良くする働きがあると言われています。

食材・・きのこ類、鮭、うなぎ

疲労を回復し、持久力を養うには

運動量が多いバレーボール選手は、試合後半でも十分な能力を発揮出るスタミナが必要です。常にベストな状態で臨むためにも、日頃から練習の疲労を翌日に持ち越さないように、しっかりと食事・休養を摂り、疲れに負けない身体を目指しましょう。

・糖質

運動中の主なエネルギー源となる栄養素です。固形のものを口に入れることが難しい場合は糖質の入ったスポーツドリンクなどで、水分と一緒に糖質を補いましょう。

・ビタミンB1

糖質をエネルギーに変えるときに必要になるビタミンです。サッカー選手にとってはリカバリーにも関わる重要な栄養素の一つです。不足すると食欲不振や倦怠感、疲労が抜けにくくなるので積極的に摂るように心がけましょう。

食材・・豚肉、うなぎ、アーモンド、焼きのり、など

・クエン酸

エネルギー代謝の中心になる役割があります。柑橘系の果物や食酢に含まれています。食酢の酸味が食欲の増進に繋がり、食の細くなる夏の時期には酢の物や南蛮漬けなど、酢を料理に使うことで夏バテ防止も期待できます。

ケガのしにくい、しなやかな身体を作るには

バレーボールは相手選手との身体のぶつけ合いなど、接触プレーは少ないものの、突き指や捻挫、ジャンパー膝など身体への負担も多く、身体の疲労がたまるとケガにもつながりかねません。勿論、日頃のストレッチや休養などでケアが必須ですが、食事でもケガを予防しましょう。

・ビタミンC 

皮膚やコラーゲンの合成に関与し、ケガの治りにも関わるビタミンです。また、抗ストレスにも必要な栄養素なので、サーブなど、プレッシャーのかかるシーンがあるバレーボール選手には是非積極的に摂ってもらいたい栄養素です。

食材・・柑橘類、じゃがいも、ブロッコリー、ゴーヤー、いちご、キウイフルーツ

 

こまめに水分補給をし、脱水を防ぐ

 

おおよそ体重の2%の水分を失うと、試合中のパフォーマンスが低下すると言われています。汗をかくことによって体温を調節し、血液の循環を円滑に行っているため、身体の水分が足りなくなると、これらの動きに影響が出ます。また、汗によりミネラルも流れるので、足のつりにも注意しておきたいところです。水分補給の際にはスポーツドリンクも活用し、水分と一緒に失われたミネラルを補給しましょう。練習中は20分おきに水分を補うなど、こまめに補給しましょう。

カリウム・カルシウム・ナトリウム

筋肉の収縮時にも必要なミネラルです。

 

ジャンプの際の溶結性貧血を防ぐ

鉄分は酸素を全身の細胞に届ける組織の原料で、不足すると低酸素状態となり、身体機能を低下させると言われています。激しい運動で汗をかくと、鉄分も汗と一緒に排出してしまいます。また、バレーボールの場合は足部が地面と衝突することでも鉄分が失われます。これは、足の裏には血管が集合しており、ジャンプなどの動作で衝撃を受けると赤血球が壊れやすくなるためです。

・鉄分

レバーや食肉、牛乳などに含まれている鉄分はヘム鉄と呼ばれ、吸収の良い鉄分として分類されます。また、ほうれん草や小松菜、ひじきなどに含まれる植物性の食材に含まれる鉄分は「非ヘム鉄」で、ヘム鉄に比べると吸収力は下が下がります。そのため、効率よく鉄分を補給するためには、鉄分と相性の良い食材を一緒に摂ることが重要です。ビタミンCやたんぱく質と摂るようにすると、吸収されやすくなります。

ヘム鉄・・レバー、牛もも肉、しじみ、あさり、かつお、まぐろ、鮭、牛乳など

非ヘム鉄・・ほうれん草、小松菜、納豆、小松菜、昆布、切り干し大根など

 

 

 

まとめ

 ・自コートに落ちるボールに反応する瞬発力をつける

 ・力強いアタックやサーブのための基礎筋力を鍛える

 ・ジャンプの衝撃から関節を守るための栄養素をしっかりと摂る

 ・水分と一緒に糖質とミネラルを摂り、脱水症状を防ぐ

ボールが床に叩きつけられる音が響くほど、鋭いサーブやアタックは選手の高い身体能力や十分な筋力の賜物です。普段の食事で栄養を補うだけでなく、サプリメントも活用しながら、日々の疲労をケアしつつ、バレーボール選手の身体を作りましょう。

 

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