摂りすぎ注意!加工食品に多く含まれる栄養素リンについて
あなたは「リン」について役割や摂取量など知っていますか??
あまり馴染みのない栄養素「リン」ですが、実は私たちの普段の食事にたくさん含まれていて身体を作る役割を果たしている栄養素です。
今回は私たちの身体を構成する栄養素リンについて解説します。
リンについて
リンはミネラルの一種です。
体内に含まれているミネラルで1番多いのはカルシウムですが、2番目に多いミネラルがリンになります。
リンは
脂肪と結合してリン脂質になることで細胞膜の材料になり、リン脂質が分解され神経伝達に使われる材料になります。
また、動くときに使われるエネルギーを蓄えている「ATP」の材料になったり、骨や歯の材料になったりします。
摂取量について
リンの栄養素等表示基準値は1日900㎎です。
それに対し、国民健康・栄養調査による20歳以上男女の平均摂取量は1日1,012㎎とされています。
つまりリンは普段の食事で十分に摂取出来ている栄養素です。
リンは身体を構成している成分であることから、肉、魚、卵、乳製品、穀物と
色々な食材に幅広く含まれています。
このことから普段の食事で不足するのは考えづらいです。
過剰摂取
リンは摂取しやすい分、過剰摂取に気を付ける必要がある栄養素です。
食事摂取基準の耐用上限量としては18歳以上の男女1日3,000㎎とされています。
リンの摂取はカルシウムの摂取量とのバランスが大切です。
カルシウムの摂取量が1に対して、リンの摂取量は1~2であるのが適切です。
それ以上の比率になると、骨の形成に使われるはずのリンが骨の形成を阻害する働きをしてしまいます。
結果、カルシウム吸収率が下がり骨軟化症という骨が柔らかくなる疾病になる可能性があります。
また、リンは腎臓でろ過されて尿として排出されます。
そのため、過剰摂取で腎臓の負担が大きくなってしまいます。
さらにリンの過剰摂取から血液中のカルシウムが増加する副甲状腺機能亢進症の可能性も報告されています。
リンはソーセージ、ハムといった加工食品に特に多く含まれます。
風味、食感、保存性を高めるために使われることが多いです。
裏面にはリン酸塩、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸などと表記されています。
加工食品を買う際はぜひ裏面を確認し気をつけるようにしてみてください。
摂取不足
リンは基本的には食事で摂取し易いので不足する可能性は低いです。
しかし、リンが体内から少なくなる疾病であったり、薬を飲んでいたりという状況にあることで慢性的にリンが不足する場合もあり得ます。
リンは骨の形成に使われる栄養素なので不足すると、骨が弱くなる、神経症になるといった症状が報告されています。
多く含まれる食材
リンは幅広い食材に含まれていますが、特に多く含まれる食材は以下の通りです。
玄米ご飯 1膳 195㎎
ハム 3枚 170㎎
ソーセージ 3本 120㎎
鶏レバー 1本 90㎎
摂り方のポイント
リンは過剰摂取に気を付ける必要があります。
そのため、加工食品ではなく生鮮食品を食べるように心がけましょう。
またリンはカルシウムとの摂取バランスが大切です。
カルシウムは不足しやすい栄養素なので意識してカルシウムを摂りましょう。
まとめ
リンは
- ミネラルの一種で細胞膜や骨といった私たちの身体を構成する栄養素。
- 様々な食材に含まれている分、過剰摂取に注意する。
- 特に風味や保存性を高めるために加工食品に多く含まれるため生鮮食品を食べる。
- カルシウム摂取量とのバランスに気を付ける。カルシウムとリンの摂取比率は1:1~1:2
- カルシウムは不足しがちな栄誉素なので意識して摂取する。
- 過剰摂取で骨の形成が阻害されたり、腎臓の負担が大きくなったりする。
以上、身体を構成する栄養素リンについて解説しました。
リンは私たちの身体を構成する大切な栄養素ですが、摂取しやすい分摂りすぎに気を付けましょう。
食材を選ぶときに裏面を見て加工食品を減らしたり、普段の食事にカルシウムを含む食材を取り入れてみたり少し意識するだけでより良いバランスで摂取できます。
より健康的な食事を目指しましょう!