ひげセンセの筋肉教養講座 第一回【流れる筋肉】

ビーレジェンド商品に同梱される【リアスタ通信】に連載されており、初心者から上級者まで大人気の「ひげセンセの筋肉教養講座」のバックナンバーを掲載!外科医でありながらボディビル大会優勝経験もある浅見先生の記事は勉強になること間違いなし!

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マクロからミクロまで

組み合わせの大切さ

見守りの大切さ

流れの中で形を保つ

ホルモンはメール

炎症と修復の違い

流れを妨げてはいけない

目次
  • マクロからミクロまで
  • 組み合わせの大切さ
  • 見守りの大切さ
  • 流れの中で形を保つ
  • ホルモンはメール
  • 炎症と修復の違い
  • 流れを妨げてはいけない

マクロからミクロまで

筋肉は僕たちの体中に存在する。大きなものから説明していこう。一番良くわかる(目立つ)のは骨格筋。骨同士を繋いで身体を動かすためにできてきた。体中すべての骨に筋肉は付いている。そして胃腸の壁にある平滑筋も有名だ。やはり胃腸を動かして食べ物を移動させていく。これらは見ようと思えば眼に見える。栄養や水を運ぶ大切な路、血管にも筋肉はある。そしてその血管が栄養を運ぶ先の細胞。細胞の合間に染出た液体成分をリンパという。リンパも流れているのでリンパ管という、そこにも筋肉がある。

組み合わせの大切さ

元々細胞は一個でも動く。動くことが基本だ。細胞には殻がある(細胞膜)。その膜も動いている、さざ波打っている。動いているのでいつも形が変わる。別の物体に当たって潰れてもある一定以上潰れない、もとに戻ろうとする“力”がある。それを細胞骨格という。骨格はアミノ酸を立体的に組み合わせたたんぱく質からできたものだ。そのたんぱく質をまた“編み込んだ”ものがコラーゲン。筋肉は元々細胞の骨格を作っていたいろいろなたんぱく質をある一定の方向に並べたもの。並べた単位を電池のように直列並列で組み合わせて大きな力を発揮するようにしている。小さな単位、そして大きな単位をまとめるために包み紙が必要となる。それが筋膜である。隙間にある膜という空間を作って栄養を送り届ける。それが血管。その供給体勢に不備が無いか、筋肉という繊細で大切なクライアントにトラブルがないかをコントロールするのが神経と免疫だ。

見守りの大切さ

ミクロの世界で、小さな単位が丁寧に組み重なって僕たちの身体は動く。筋肉は基本的にたんぱく質からできている。なぜなら、筋肉やそれを包む膜、制御する神経系の設計図(遺伝子のプログラム)はすべてたんぱく質を作るようになっている。このたんぱく質は「疲弊」する。いつも揺り動き、外からの力に抵抗して、そして擦り切れる。立体構造が崩れ、折りたたみに小さな隙間ができる。ほんのわずかな歪みが大きな歪みにもなりうる。だから四六時中、あちこちで修復を必要とする。小さな膜単位で、張り巡らされたセンサーが、工事や修復の必要性を伝える。

流れの中で形を保つ

心臓からは、骨髄など体中の臓器で精製された大量の血液成分が動脈という路を通って全身に向かって送り出される。毎分送り出される何リットルもの血液の中に、筋肉からの“声”に応えたものが入っている。一回の拍動ごとに微妙に違いがある。それを受け取って筋肉は絶えずまた信号を送り返す。この静かな流れの中で気づかれないうちに僕たちの筋肉はその形を維持されている。日本の道路は本当に快適に走ることはできる。夜間、人が寝静まったとき、あるいは人通りの少ない時にそのインフラを絶えず監視し管理修復している地味な縁の下の力持ちが要るからこそ、安全に運転することができるのと同じだ。

ホルモンはメール

筋肉は全身に存在するが、主役は骨格筋であり胃腸にある平滑筋。統合本部である脳神経からは隅々まで神経繊維が伸びていくのだが、遠く離れた場所とのやり取りには血液に載せてメールするのが一番早くて確実だ。その“臓器間のメール”をホルモンという。このホルモンも多くはアミノ酸と脂肪から作られている。

炎症と修復の違い

皮膚に傷が付くと、最初は赤くなりそして腫れて来る。赤くなるのは周りの血管が緊急事態を宣言し、広い範囲に助けを求めている証拠。メールを受け取って、血液に乗ってたくさんの工事関係者が修復にやってごった返す様子が「腫れ」。ばい菌などが混じって戦場になった残骸が膿。僕たちの身体は結構オーバーなリアクションをするような設定になっている。腫れた場所は痛い。痛いのはほっといて、じっとしておいて、治すのに専念させて というメッセージである。だから炎症が収まるまで、ほかに疲れるようなことをしてはいけない。修復が中途半端に、あるいは過度になることがある。筋肉が適度な刺激を受けて自然と修復する姿はこれとは違う。ほかの場所が動いていようと縁の下の力持ち集団は黙々と日々のメンテを続ける、緊急事態にいつも対処できるように。でもメンテする力はゆっくりと衰える、丁寧に編み込まれたセーターも少しずつほころびが目立ってくる。監視機能も衰える。それが老化である。

流れを妨げてはいけない

僕たちの身体は流れの中にあって自然とその形を保っている、これをある生物学者は動的平衡と言う。この流れが突然変化することがある。流れが身体の外に出て行く出血、そして突然止まる梗塞(栓塞)である。突然変化が起きると身体は緊急事態宣言する。臓器同士、細胞同士のメールは大量に送られる。一斉に免疫機能がフル回転を始め、その場所の修復を始める。出血なら血液を固める。梗塞なら血液をサラサラにしようとする。ポンプとしての心臓もより大きな拍動で応援隊を送り込む。脳はその情報を把握して、外から栄養素を取り込む指示を送る。この流れの変化に対して僕たちの身体は本当に瞬時に反応できる能力が備わっている。それを強制的に外から変化させるのが、薬剤であり、ホルモン剤投与であり、加圧である。その功罪について次回から述べて行きたい。

ひげセンセの筋肉教養講座

眼に見える血管以外にもたくさんの流れる路が体中にある。その流れを滞らせてはいけない。筋肉の形は流れの中にある。

筆者 プロフィール 

ひげセンセの筋肉教養講座

浅見尚規(あさみなおき) 昭和32年生まれ 

宮崎市在住

経歴:昭和57年宮崎大学(旧宮崎医科大学)医学部卒業 

専門分野 脳脊椎脊髄外科

昭和57年からボデイビルを始める。ミスター東九州、ミスター広島(いずれもNBBF)優勝、NGAマスターズ優勝(USA)のタイトル 41歳で競技引退

平成25年まで某ボデイビル月刊誌にて連載 筋トレセミナーを各地にて開催

その他、三輪書店、メディカルビュー社から外科手術用教科書執筆(共著)

趣味:ボデイビルトレーニング、筋トレマシン収集、読書、ピアノ

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