ダイエットに取り組んだことのある方なら、「食べなければ痩せる」という考えを耳にしたことがあるかもしれません。
確かに、ダイエットの基本は運動と正しい食事の選択の実践であって、運動をしていても食べる量が多すぎるとダイエットの成功が遠のいてしまいますよね。
しかし、実際には単に食事を減らすだけでは理想的な体重や健康状態を維持することは難しいことがあります。
この記事では、食べないだけでは痩せない理由や、ありがちなダイエットに対しての誤解についてご紹介しますので、ダイエット中の食事についてお悩み中の方はぜひご一読ください。
食べないだけのダイエットの誤解
闇雲に食事を我慢するだけでは、痩せることに成功しても体型や体重のキープができず、ダイエットの失敗を招きます。
「食べない=痩せる」はダイエットの誤解と言っても過言ではないでしょう。
食べないだけのダイエットにどのような誤解があるか掘り下げると以下のものがあります。
1.食べないだけダイエットで痩せた身体はダイエットが終わった後も持続する
2.食べなければ胃袋が小さくなって食欲も抑えられる
3.運動をしなくても、食べる量さえ少なくすれば痩せられる
4.食事を抜くダイエットの悪い影響はせいぜいリバウンドぐらいだろう
これらは全て誤解であるのと同時に、ダイエットが失敗に終わった人によく見られる考え方です。
次の項目から詳しく紐解いていきましょう。
その前に、押さえておきたいダイエットの基本知識を簡単にご紹介します。
基礎代謝とは?
基礎代謝とは、安静時に身体が維持するために必要なエネルギーの量のことです。
身体が正常に機能するためには、この基礎代謝によって消費されるエネルギーが最低限必要です。
同じ量を食べているのに痩せる人と痩せにくい人がいるのは、基礎代謝が関係している場合があります。
筋肉量が多い人や、体温が高い人は基礎代謝が高い人が多い傾向がありますよ!
食事を減らすことでエネルギー不足に陥り、基礎代謝が低下してしまう可能性があります。
食事量の影響
食事量が極端に少ない状態が続くと、身体はエネルギー不足から節約モードに切り替わります。
これは生存本能の一環であり、結果として基礎代謝が低下し、体重が減りにくくなることがあります。
身体が飢餓の状態と認識している状態ではダイエットの効果が十分に現われません。
この状態は普通の食事制限でも「ダイエットの停滞期」として見られる場合がありますが、極端に食べないようにしたり、無理なダイエットをしていると停滞期が早くに訪れたり、長引いたりするリスクもあることを覚えておきましょう。
ダイエットの停滞期についてはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
カロリーを抑えすぎることでの悪影響
前の項目でも触れましたが、食事のカロリーを極端に抑えると、必要な栄養素を十分に摂取することが難しくなります。
これにより、体調が悪化する可能性がありますよ!
ここからは、食べないダイエットにおいて、摂取カロリーが少ないことで起こる悪影響についてご紹介します。
栄養素の不足
過度なカロリー制限は、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの重要な栄養素の摂取が減少する恐れがあります。
これらの栄養素は体の正常な機能を維持するために必要であり、不足すると免疫力の低下や代謝の異常などの健康問題が生じる可能性があります。
特に女性のダイエットの場合は、鉄分やたんぱく質が不足しやすい傾向があります。
脂質を抑えたいからといって、肉や魚を食べないでいると、筋肉や髪の毛、肌や爪の材料になるたんぱく質や、血液や骨の維持に欠かせない鉄分までもが足りない状態に陥りやすくなります。
よって貧血や肌荒れなどを引き起こすリスクが高くなるので、十分に注意する必要があります。
免疫力の低下
栄養不足によって免疫力が低下すると、身体が感染症や病気に対する耐性を持ちにくくなります。
健康な免疫系は身体を守るために重要であり、栄養不足によって免疫機能が低下すると、身体が外部からの脅威に対抗する能力が減少する可能性があります。
適切な栄養を摂りながらカロリーを制限することで、健康を維持しながら効果的なダイエットを進めることが重要です。
基礎代謝の減少
食事のカロリー摂取を大幅に減らすと、身体はエネルギー不足と認識し、基礎代謝を抑制しようとします。
基礎代謝は身体が安静時に消費するエネルギー量を指し、これが低下すると身体がカロリーを効率的に燃焼する能力が低下します。結果として、体重が減りにくくなります。
極端なカロリー制限では、身体は生存のためにエネルギーを節約しようとします。
これにより、身体は脂肪をエネルギー源として利用しようとし、脂肪の貯蔵を増加させる可能性があります。
身体が飢餓状態と感じると、脂肪を大事なエネルギー源として保存しようとする生存本能が働くためです。
食事への過度な制限によるストレス
食事を制限しすぎることは、かえって食への欲求を高め、心理的なストレスを招くことがあります。
食べ物への制限が厳しいと、満足感が得られず欲求が溜まり、ストレスやイライラが増加する可能性があります。
これが続くと、食事のコントロールが難しくなるだけでなく、摂食障害やうつ状態などの心の病気になるリスクも高くなります。
リバウンドの可能性の増加
極端なカロリー制限による急激な体重減少は、一時的な成果をもたらすかもしれませんが、身体はストレスを感じ、過度な飢餓状態と認識します。
このため、制限が解除された際には身体は失ったエネルギーを補おうとし、リバウンド現象が起きやすくなります。
急な食事制限と、衝動的にドカ食いをしてリバウンドを繰り返したりする急激な体重の変動は、代謝やホルモンバランスにも影響を及ぼし、長期的なダイエットの成功を阻害する可能性があります。
正しいダイエットのアプローチ
バランスの取れた食事
食事制限を行う際も、栄養バランスを保つことが重要です。一食抜いたり、極端に摂取カロリーを減らすと、体内の栄養不足が起こり、代謝が低下してしまう可能性があります。
野菜や果物、たんぱく質豊富な食材を取り入れることで、必要な栄養素を摂りながらカロリーを調整できます。
ダイエットのための1日の食事メニュー【ビーレジェンド FEM】
適切な運動
食事制限だけでなく、適度な運動もダイエット成功の鍵です。運動によって筋肉量が保たれ、基礎代謝が向上し、効果的な脂肪燃焼が促されます。
それだけでなく、ダイエットの大敵であるストレスの軽減にも役立ちます。
運動を行うことでメンタルに関係する様々なホルモンが分泌されます。
その中でもセロトニンは、神経伝達に関するホルモンで、このホルモンが分泌されることによって精神の安定や高揚感が高まることで「幸せホルモン」とも呼ばれていますよ!
過度なストレスを避ける
ストレスは体重増加の要因となることがあります。
適切な休息やリラックスした時間を確保し、ストレスを軽減する工夫をしましょう。ストレスが多い状態では、ホルモンのバランスが崩れて食欲が増進することもあります。
食事制限中は何かとストレスを感じることもありますが、入浴や睡眠前などのリラックスする時間にも目を向けてみましょう。
現実的な目標設定
「1ヶ月に8キロ痩せよう!」というような無理な目標設定はダイエット失敗に陥りやすいだけでなく、ストレスの元凶にもなりかねません。
現実的な目標を設定することも大切ですが、具体的にどんな目標が無理のないものなのかを見ていきましょう。
厚生省によると、体重の1ヶ月では1%、3〜6カ月で現在の体重から3%の減量ペース※を推奨しています。
※)日本肥満学会編. 肥満症診療ガイドライン2016
つまり、体重が60kgの場合は1カ月で600g、3ヶ月後までに1.8kgの減量を目指すということになります。
早く結果が欲しい人にとっては物足りなかったり、焦りを感じたりするペースのように思えるかもしれません。
しかし、急激な体重減少を目指すと、リバウンドのリスクが高まり、ダイエットの結果が出ない場合があります。
地道で長い道のりのように感じるかもしれませんが、ダイエットは終わってから完全に全ての取り組みを辞めるのではなく習慣としてこれからもずっと続けていくものです。
ぜひ、ダイエットを終えてからも続けられるような取り組みを、ご自身の生活スタイルに落とし込んで無理のない目標を立ててみてくださいね。
この記事のまとめ
いかがでしたでしょうか?
最後にこの記事を簡単におさらいしましょう!
健康的なダイエットを成功させるためには、カロリー制限に関するバランスと適切なアプローチが重要です。
単に食事を減らすだけではなく、栄養バランスを保ち、身体に必要な栄養素を摂取することが健康状態を維持する鍵です。
極端なカロリー制限は栄養不足や免疫力の低下を引き起こす可能性があり、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
また、過度な制限は代謝を低下させ、体脂肪の貯蔵を促進する恐れがあります。
さらに、心理的なストレスが増大し、食事へのコントロールが難しくなることでリバウンドのリスクも高まります。
適切なカロリー摂取量とバランスの取れた食事、運動、ストレス管理は、健康的なダイエットの成功に不可欠です。
急激な方法ではなく、長期的な視野で健康を維持しながら体重を減少させることが、理想の体型と健康な生活を手に入れるための鍵と言えるでしょう。
ダイエットの過程で専門家のアドバイスを受けることも重要であり、自身の体質や目標に合わせたアプローチを見つけることが大切です。
最終的に、健康を最優先にしたダイエットが、持続可能な成果をもたらすことを忘れずに進めていきましょう。