上半身の印象を大きく左右する肩の筋肉。
丸々とした肩のシルエットは、プールやビーチなどで筋肉が露になっている状況下ではもちろん、洋服をかっこよく着こなす際にも、男らしい身体を演出する上で重要な役割を担います。
男性だけでなく女性においても、肩の筋肉にメリハリがあるだけで、二の腕がすっきりしているように見えたり、小顔効果があったりと、メリットが大きい部位といえます。
正面からみた肩の印象は、肩の筋肉の中部が重要となりますが、横から見た印象でいうと、肩の筋肉の前後の部分が重要となります。
今回ご紹介するインクラインフロントレイズは、特に肩の筋肉の前側に刺激が入る種目です。
フォームやシートの角度、ダンベルの重さ等から、効果的な実施方法等まで、簡潔にわかりやすく解説しました。
それではまいりましょう!
1.インクラインフロントレイズで鍛えることが出来る部位
肩の筋肉である三角筋の中でも前側に刺激が入る種目です。
身体を立てて行うフロントレイズや、ダンベルやバーベル、スミスマシンで行うショルダープレス等も同じように三角筋前部に刺激が入りますが、三角筋前部がストレッチされている局面で強い刺激が入るというのが、インクラインフロントレイズの大きな特徴です。
筋肥大においては、ストレッチの局面での刺激というのが非常に重要となりますので、特に筋肥大を目的とする場合は積極的に取り組んでいただければと思います。
また、シートに身体を預けて動作を行うため、反動を使って動作を行いにくいというのも、本種目の大きな特徴です。
2.インクラインフロントレイズのやり方
・シートの角度を45°程度に設定し、ダンベルを持ってシートに腰掛けます。
・体幹と腕が90°位になる位置でダンベルを構え、ダンベルを握りこんで三角筋を収縮させます。
・コントロールして下ろしたら、トップポジションまでダンベルを挙げ、動作を続けます。
ほかのトレーニング同様、8~15回程3セット実施を基本として実施していただくのがおすすめです。
三角筋前部を重点的に鍛えるメニューであれば、各種ショルダープレスや身体を立てて行うフロントレイズと組み合わせて実施すると効果的ですし、三角筋全体を狙ってメニューを作成する際は、三角筋中部を狙うサイドレイズやアップライトロー、三角筋後部を狙うリアレイズのような種目も併せて取り組むのがおすすめです。
重量については、反動を使わないフォームであれば初心者であれば男性なら10kg以下(女性だと5kg以下)のダンベルで十分刺激を入れることが出来ると思いますが、ほかの種目同様重量の更新を目指していくことを念頭に置きましょう。
3.ポイント
①反動を極力使わない
画像のように腰を上げたり、上体を振ったりすれば、ダンベルを挙げること自体は難しくありません。
しかしトレーニングに十分慣れていない場合、肩関節に過度な負荷がかかって痛みが生じる可能性があります。
トレーニング上級者であればチーティングをテクニックとして活用するのも、決して悪くはないのですが、まずはなるべく丁寧な動きを心掛けましょう。
②トップポジションから始める
三角筋前部への意識がしにくい方に特におすすめの方法です。
通常であれば本種目は、ダンベルを下した位置をスタートポジションとするのが主流です。
しかし三角筋前部を使う感覚がつかめていない方であれば、ほかの筋肉の動員が多くなる場合があり、三角筋前部に刺激を集中させることが難しくなります。
そこでトップポジションで三角筋前部をあらかじめ収縮させてから、その緊張を保ちながら動作を開始することで、より簡単に三角筋前部を意識することができます。
4.まとめ
三角筋前部は胸のトレーニングなどでも刺激が入るため、全身を鍛える上で三角筋中部や、脚、胸、背中に比べて優先順位は低くなってしまいます。
しかし、肩の筋肉の大きさや形が勝敗を分ける要因となるボディビルやフィジークといった競技の選手においては、決しておざなりにはできない部位です。
そして本種目は、三角筋前部の種目の中でもベストな種目として、中心的な位置づけで取り組まれている方が多い種目でもあります。
高い効果が期待できる種目ですので、怪我を避け、効果を最大限享受できるようなフォームを作ってやりこんでいただければと思います!