減量中に筋肥大は可能か…ANNBBF全日本ボディビルチャンピオンのビーレジェンド大林が解説します。
身体づくりを考えるにあたって、食事面で必ず押さえておきたいのは摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。
簡単に言えば、消費する以上に食べれば体重が増える、食べる以上に消費すれば体重が落ちる。
これは筋肥大にも当てはまることであり、基本的に筋肉は摂取カロリーが消費カロリーを上回っていなければ筋肉を増やすことが難しいのです。
ただし、「ある条件」のもとでは減量中に筋肥大することも十分可能なのです。
いくつかの条件を満たせば減量中でも筋肥大が可能な部位はある
- 小さな部位かつ普段優先的に鍛えていない筋肉
- ケガや病気で筋肉量を大きく落とした部位
これらの条件を満たせば、減量中であっても筋肥大していくことができます。
これらのケースは、自身の経験や知り合いの競技者の変化を見ていても同じような変化が見られていました。
条件①:小さな部位
腕や三角筋後部といった比較的小さい筋肉で、普段あまり優先的に鍛えてない部位は減量中でも筋肥大する可能性が大いにあります。
私は今年の3月に審査員資格を持つ指導者にポージングを見てもらったところ、腕が弱点と言われて腕トレのボリュームを増やしました。
曽於結果、10月の大会まで上腕のサイズが変わりませんでした。
普通は筋量が変わらず脂肪だけ落ちたとしても腕は細くなるはずですが、全く同じサイズをキープできたということは筋量を増やせたと考えてます。
私と同じように、腕や三角筋後部といった部位は胸や背中と比べて後回しにしている方が多いと思います。
こういった部位は減量中にトレーニング量を増やしたり最初にトレーニングしたりすることで筋肉量を増やせる可能性が高いです。
条件②:ケガや病気で大きく筋肉量を落とした部位
また、以前にケガや病気で筋肉量を大きく落とした部位も減量中に筋肥大することが可能です。
例えば頚椎ヘルニアや肩のケガを治療するため手術する場合、術後の安静やリハビリを経て上半身の筋力や筋肉量が著しく低下してしまうことも珍しくありません。
しかし、マッスルメモリーによって、ハードなトレーニングを再開した後はかなり早いペースで元の筋肉量へ戻っていきます。
このように、ケガや病気によって大きく筋肉量を落とした部位は減量中であっても筋肥大することができます。
「筋肉量が戻るまで減量しない方がよいのかな…」と心配する必要はありません。
条件③トレーニング初心者の場合
最後に、筋トレを始めたばかりの初心者の場合も減量しながら筋肥大することが可能です。
「初心者ボーナス」と呼ばれており、期間は人それぞれですが、トレーニングを始めたばかりの頃は非常に筋肥大しやすいのです。
そのため、筋トレを始めて1年以内であれば減量して筋肉量が増えなくなる心配はしなくてもよいでしょう。
むしろ、体脂肪が多すぎると筋肥大の効率が悪化してしまうため、お腹に力を入れても腹筋が全く見えない状態であれば減量する方が効率よく筋肉を増やしていけます。
まとめ
- 基本的に消費カロリーを摂取カロリーが上回っていないと筋肥大は難しい
- 小さな部位で普段あまり優先的に鍛えていない筋肉は減量中でも筋肥大が可能
- ケガや病気で大きく筋肉量を落とした部位も筋肥大が可能
- トレーニングを始めて1年以内の初心者も筋肥大が可能
これらのケースに当てはまる場合は減量中でも問題なく筋肉量を増やしていけますので、理想の身体目指してトレーニングを頑張ってください。