大胸筋の筋肥大におすすめな種目であるダンベルベンチプレスのやり方とコツを解説します
効率よく大胸筋を大きくしたい!
ベンチプレスの重量を伸ばしたい!
ウェイトトレーニングにおいて、不動の人気ナンバーワン種目であるベンチプレス。しかし、ターゲットとする大胸筋を追い込む前に、肩や腕が疲労してしまったり、扱う重量を増やしていく際に、重量の伸び悩みを感じてしまったりという悩みをよく耳にします。そんな悩みにぶつかった際、ベンチプレスの代替種目や補助種目として取り組んでいただきたい種目があります。それはダンベルベンチプレスです。やり方、フォームを習得すれば、バーベルを使ったベンチプレスよりも簡素な器具にて実施可能(ダンベルとベンチ台)ですし、ダンベルの特性を利用することで、バーベルベンチプレス以上の効果を得られる可能性があるのです。
ベンチプレスで大胸筋が大きくならない方にダンベルベンチプレスが効果的な理由
1.ダンベルベンチプレスで鍛えることが出来る部位
ダンベルベンチプレスはベンチプレスと同じく、主に胸(大胸筋)、肩(三角筋)の前部、二の腕(上腕三頭筋)を鍛えることが出来ます。特に大胸筋が主に使われる筋肉(主動筋)となります。身体に厚みを出し、たくましい印象を与える胸板作りにおすすめの種目です。
スタッフ大林の大胸筋。ダンベルプレスの効果を体現しています。
2.ダンベルベンチプレスVSバーベルベンチプレス
2-1扱える重量
ベンチプレスの魅力として、上半身を鍛える種目の中でも特に高重量を扱えるという点が挙げられます。テクニック(ブリッジやレッグドライブ等)次第で全身の筋肉を動員しやすいというのが、高重量を扱えるポイントです(実際にベンチプレスを行って、背中や脚が疲れるという話をよく聞きます)。一方ダンベルベンチプレスでは、重りが左右で独立しており、バーベルベンチプレスに比べて全身の筋肉を動員しにくいため、扱える重量は軽くなります。バーベルベンチプレスで100kgを1回ギリギリ挙上できたとしても、ダンベル片手50kgずつでダンベルベンチプレスを1回挙上することはほぼ不可能です。筋肉へ刺激を与える中で、高重量を扱うというアプローチをとるならば、ベンチプレスのほうに軍配が上がるといえます。
2-2動作の自由度
両種目とも、ベンチに横になって両手で重りを押し上げる動作を行うという点で共通していますが、バーベルベンチプレスの際は両方の重りがバーベルでつながれているため、左右の動作の軌道やグリップにおいて、自由度は高くありません。一方ダンベルベンチプレスは、両手それぞれで独立したダンベルを持つことになるため、自由度の観点ではダンベルベンチプレスに軍配が上がります。自由度が高いことで、大胸筋の可動域を大きくとることができ、それが大胸筋への強い刺激を生むことが可能になります。また、バーベルベンチプレスの実施で肩が痛む方の中で、ダンベルベンチプレスで挙上の軌道やグリップの角度を調整して実施することで、傷みなくトレーニングできるという例もあります。
2-3 バランス
フリーウェイトの特徴として、動かしたい方向への力だけでなく、軌道を定める力を発揮する必要が生じ、軌道を定める筋肉(スタビライザー)にも併せて刺激を入れることが挙げられます。一つの重りを両手で押し上げるのと、2つの重りをそれぞれ片手で押し上げるのでは、どちらが軌道を定めにくいか、どちらがバランスをとるのが難しいかは明確です。つまり、ダンベルベンチプレスのほうがバランスの面で劣るといえますが、その分スタビライザーの強化を見込むことができます。
3.ダンベルベンチプレスのやり方
では、ダンベルベンチプレスのやり方をご紹介します。
手の向きや動かず範囲によって意識することや使われやすい部分が少し変わりますが、今回は一般的な方法です。
・ダンベルを太ももの上においてベンチに腰掛け、太ももにダンベルを置いた状態でシートに身体を預けます(オンザニー)。
・ベンチに横になり、ダンベルを真上に持ってきて腕をまっすぐ伸ばした状態をスタートポジションとします。
・胸を張った状態を維持して、肘を曲げてダンベルをゆっくりと下ろしていきます。
・ダンベルのグリップが大胸筋の高さにくるまで下ろしたら、スタートポジションに向けて肘を伸ばしてダンベルを上げていきます(下ろす深さは肩の痛み等で調整してください)。
・セット終了時には、膝を抱えるようにダンベルにあて、起き上がります(直接床に下ろすのは、思わぬ怪我のもとです)。
筋肥大を目指す場合、8~12回、3セット程実施を基本として胸のトレーニングメニューに組み込むのがおすすめです。バーベルベンチプレスで大胸筋に刺激が入りにくい場合はバーベルベンチプレスの代替種目として、バーベルベンチプレスの挙上重量を目指す場合はバーベルベンチプレスの補助種目として実施するのも有効です。
4.ポイント
①前腕はどの角度からみても地面と垂直になるようにする
前腕(腕の肘から先の部分)を地面と垂直にすることが大切です。左右や前後に傾くと、余計な腕の筋肉を使ってバランスを保とうとします。どの角度から見てもまっすぐ垂直の状態にしましょう。
②ダンベルを持つ角度をハの字状にする
胸を張って脇を締めた状態を作って動作を行う際、ダンベルの角度を平行ではなくㇵの字状にすると肩への負担が軽減されます。
5.まとめ
バーベルで行うベンチプレスに対して、やや地味な印象を受けるダンベルベンチプレス。しかし、大胸筋の発達においてはバーベルベンチプレスをしのぐ可能性を秘めている種目です。大胸筋といえばバーベルベンチプレス!という方も、ぜひ取り入れてみてください。相乗効果が期待できるはず!