筋トレを実施している方、これから実施しようとしている方のほとんどが、筋トレのBIG3は何でしょう?の問いに簡単に答えることが出来るかと思います。
しかし、これらの種目を、安全かつ効果的に行うための正しいフォームを、胸を張って出来ているといえる方はどれほどいらっしゃるでしょうか?
今回はこのBIG3の中でも、おそらくベンチプレスに次いで人気二番目であろうデッドリフトを紹介します。
安全かつ効果的なフォームを紹介するにあたり、初めてチャレンジする方向けというだけではなく、実施の経験こそあるものの、何らかの理由(ex.腰に痛みが生じた、どこに効いているかわからない等)で種目から外していた方が、フォームを再構築してチャレンジする際の助けになるような内容で書いております。
是非最後までご覧ください!
尚今回は、床から引くナロースタンスのデッドリフト(コンベンショナルデッドリフト)についての解説です。
スモウデッドリフトやスティッフレッグデッドリフト(ルーマニアンデッドリフト)については、別の機会で解説していきます!
ハムストリングとお尻を効率よく鍛えるルーマニアンデッドリフトのやり方とコツ
1.デッドリフトで鍛えられる部位
デッドリフトはある特定の筋肉に仕事を集中させる種目ではなく、複数の筋肉に対して一度に仕事をさせる種目です。
動作に際しては、特に身体の裏側の筋肉が動員され、広背筋や脊柱起立筋、ハムストリングス、大臀筋、僧帽筋、菱形筋といった筋肉に刺激が入ります。
よく、ハムストリングスなどの下半身には刺激が入るが、背中に刺激が入る感覚がわからないため、デッドリフトは下半身の種目だとおっしゃる方がいますが、広背筋の発達にも十分効果的です。
ローイング系の種目のようにわかりやすく引っ張る動作がなく、ストレッチ~収縮という一連の局面こそありませんが、身体を起こす際にバーベルを身体に引き付けておくことで、広背筋は筋肉の長さが変わらずに力を発揮しています(アイソメトリクス)。
この力が弱まると、バーベルを身体の近くで保持することが出来なくなり、背中が曲がってしまいます。
つまり、正しいとされているフォーム(背中をまっすぐに保ち、身体の近い位置をバーが動く)で行うことで、広背筋に刺激が入っているのです。
2.デッドリフトのやり方
・脚幅を腰幅程度に広げて、床のバーが土踏まずの上にくるくらいバーに近づき。膝とつま先は平行ないし少し開きます。
・お尻を後ろに突き出しながら、膝を軽く曲げるようにして腰を落としてバーを握ります。
・ハムストリングスに負荷を感じつつ、腹圧をかけ、腰から背中がまっすぐな状態をキープしてバーを持ち上げます。挙げきりの際に肩を後ろへ引くように胸を張ります。
・背中を丸めることなく、太ももをバーが伝うようにコントロールして下ろします。
ほかの種目と同様、6~12回を3セット行う方法が当てはまりますが、パワーを向上させる名目で、1~5回実施というのも有効です。
メインのセット数についても3セットというのはあくまで目安で、割と幅を持って考えていただくとよいでしょう。
ただ、多くの筋肉を動員し、比較的高重量を扱うことになるため、ウォーミングアップのセット数は重量に慣れていく観点でも、1~2セットよりは多く実施するのがおすすめです。
3.デッドリフトの注意点
①背すじを伸ばす
最も気を付けなければいけない点です。
背中を丸めた状態で負荷がかかると、ヘルニア等の原因になるため、姿勢を保てる重量にて行いましょう。
②バーベルを身体の近くに保つ
バーベルに対して身体および脚の位置が遠いと、腰に負担が強くなる不自然なフォームになります。
バーベルが脛~太ももに対し、常に近い位置もしくは接する位置を動くようにしましょう。
③ハムストリングスで負荷を受ける
デッドリフトを背中の種目として実施する場合であっても、負荷をハムストリングスで受けることが大前提となります。
特に床~膝までの間をバーが通る局面では、ハムストリングスで負荷を受けて身体を起こさなければ、お尻が先に上がってしまい、背中が曲がる原因となってしまいます。
また、膝を伸ばす動作のため、大腿四頭筋の関与も生じます。
しかし、大腿四頭筋で負荷を受けるようなフォームというのは、スクワットのような動作を不自然に行う形となるため、大腿四頭筋を使うイメージを敢えて持つ必要はありません。
4.まとめ
今回は身体の後ろ側を包括的に鍛えることが出来るデッドリフトについて考えてみました。
非常に優秀な種目なので、背中の日にすべきか、下半身の日にすべきか悩ましいところですが、私は脚の日に影響が及ばない日に背中の種目として実施しています。
勿論背中だけではなくハムストリングスにも筋肉痛が来ますが、その辺の割り切りも大事ですね(笑)。
腰などの問題があり、実施できない方は仕方がないですが、特別やらない理由がない方は、本記事を読んだらすぐにデッドリフトに挑戦してみてください。大きな効果が期待できるはず!