気軽に手軽にどこでもトレーニングできる環境が広がっている。
トレーニングするとはどういうことか、効果を実感しながら向き合ってほしい。
初めに
コロナ禍が終わり筋トレブームは再拡大している。
夏だけでなく春から冬まで全国でその“お披露目”をする大会も開催されて、大小様々なジムが“至るところに”オープンしている。言い方を変えれば乱立している。
どんな経営母体かは知らないが、個人オーナーのジムにとっては大変な一方、筋トレ愛好者側からは“ありがたい”。
いつでもどこでも大好きな筋トレができる“コンビニトレーニング”の時代になってきた。
それでもまだ伸び代があると業界では強気の姿勢で、どこまでも増えていく気配である。
今回は、コンビニジムとその利用。置いてある様々なマシンについて筆者の意見を述べさせていただく。
人は飽きる
コロナ禍になるかなり以前から、自宅で“気軽に”鍛えられる道具、ホームトレーニングマシン類は販売されてきた。
いずれも手軽に、毎日、時間がある時、片手間に、ぶら下がり、しゃがみ込み、脚の“開閉”も、お腹ブルブルして、締め上げて、などの謳い文句で売れていった。
購入してからも、全てが期待を裏切らない楽しさがあった。
しかし、最初の一週間が過ぎ、1ヶ月、そして数ヶ月、また2年目になり使い続ける人はどれだけ居ただろうか?
あるものは洗濯物架けに、ある物は足台に、あるものは、物置の片隅に眠っているのではないだろうか?
そう、手軽にできるものは、簡単に“飽きちゃう”のである。
コンビニジムのマシンの多くは、一定の会社のもの、そして比較的気軽に“座った”状態で、軽めから行える。
だから、普段着でも、背広やスカートでも可能であるのだが、筋トレというものは、楽にできるから良いのではない。
筋トレマシンは、楽に鍛えられるのではなく、安全にターゲットになる筋群を強く刺激できるから開発されたのである。
筋肉にストレス、ショックを積み重ねて与えてその回復の結果、形が変わり、体型も変わっていくものだ。同じ地域の、街の、ジムで、全てのマシンが違う、というなら話は変わるだろうが、それはない。
飽きる脳神経生理学
なぜ飽きるのか。筋トレは一種のストレスであるからだ。
ストレスに対応するため、人はいろんなホルモンを出して適応する。
脳もまた同じ、同じ刺激には“マンネリ”と判断して、“手を抜く”、捌くのである。
レッグプレスを、スマホゲームを楽しみながら、ポイ活しながら行う、のは筋トレではない。時間潰しだ。
このウエイトで上がるかな、このウエイトを押せるかな、マシンでここを効かせてみたい、そんな目標を持って座り込むのなら、スマホを見ている暇などないし、背広やスカートでは汗と摩擦で服が乱れる。
脳は、自分に向かってくるウエイトや力に対して戦う時、初めて強い信号を筋肉に送るのであり、強い信号に応えるために筋肉は変わるのである。
マシンとフリーウエイト どちらを選ぶ?
理想は、フリーウエイトである。
なぜならば、二本足で立つ、それだけで大変な電気信号が必要なのに、そこにウエイトが加わるからだ。
持つ、担ぐ、しゃがむという動作の変化が加わって、脚や腕、肩を主導筋として動かすためには、強い信号を反復して学び行う必要がある。
コンビニジムでは、可能なら、まずマシンでなるべく回数、重さに拘って事前疲労させ、そのままやはりなるべく重いダンベルかバーベルで同部位を鍛える。
インターバル、片方ずつまたは角度を変える。マシンでアウターマッスルを、フリーウエイトでインナーマッスルを動員しながらアウターマッスルを仕上げる工夫を行う。
結論
トレーニングは、やらないよりやる方がいいのは確か。
ただ闇雲にジムで汗を流したからと言って、すぐに目に見える効果が出るわけではない。
多少は痩せるかもしれないが、そう簡単に体型などは変わらない。
それは何十年も本格的にハードなトレーニングを続けていてもなかなか思うような結果を出せない競技者がいる事からもわかる。
背広や仕事着のままジムに行ってもいい。汗びっしょりになってそのまま帰ってもいい。
一回一回のレップ、セットに意識を集中させ、ターゲットとなる筋肉の声を聴いてほしい。
そして、時間がある時、多くのマシン、重いウエイトに囲まれながら、そして多くの視線を浴びながら、トレーニングをする機会を作ってほしい。