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【ひげセンセの健康を学ぶ】第3回 あなたは“ちゃんと”握っているのか

場所や道具が手軽になり“簡単な”トレーニングがブームになっている。
今回は、適当に、いい加減に握ることの落とし穴について話してみたい。

どこでもいつでも筋トレの落とし穴

空前の筋トレブームである。街角に手軽に入れるコンビニジムが”急速増殖中”だ。
完備されたマシンを普段着で扱える時代。やり方もスマホで確認でき解説もわかりやすい。

さて、みなさん、これらマシンのハンドルをどうやって握っているだろう?
グッズの併用で握力のないトレーニーでも“簡単に”マメなど作らず高重量も扱えると教わる。
しかし、握らなくても良いのだろうか?手は添えるだけで胸も背中もしっかり鍛えられるのだろうか?

プッシュとプル、握る意味

僕たちの握るという行為は、まず自分より離れたところにあるエサやものを落とさず、自分に近づけるか、遠ざけることから進化してきた。
指を伸ばすよりも“畳んでくる”という握る行為の方が見ていてもダイナミックである。
握って顔まで持ってくる動作に、強大な力は不要である。

指、手のひら、手首、肘、そして肩関節が同時に屈曲すると大きなモーメントが得られる。
たくさんの関節を同時に曲げることで、少ない力で大きな距離を移動させることが出来る。
たくさんの筋肉や腱を同時収縮が広い可動域を生む。
だからこの行為に必要な筋肉は基本皆細く腱構造が主役になっている。

そして、より大きく重いものを近づけてくる時、口に近づけるより太く大きな背筋群を連動させる。
いろんな方向から引っ張ってくる“可能性”があるため、背筋群は首から骨盤までたくさんの種類を配置している。
一方で押す、離す、という行為は一瞬で、一気に、大きな力を出せばいいので、単純な太い筋肉を配置している。

便利なグッズの光と影

握るのは忘れろ、腕はただのフックであり、意識を背筋に集中させウエイトを乗っけろ、と教わるだろう。

もちろん、ハンドルやバーを“握り締め”懸垂やラットプルをしようとすると、腕が先に張ってくることがある。
扱うウエイトが、あるいはその種目がその人の筋力より重過ぎるためでもあるが、そんな時に助けてくれるストラップの存在は大きい。
ストラップの中には、まさにフック、カギ状にハンドルバーに引っ掛けるものまである。

でも、よく考えてほしい。
引き付けるという最初の動作は、握ることから連動していくのである。
それをせず指は屈曲せず(多少は曲がっていても)、”いきなり”手首から動き始める、そして肘、肩へと連動が始まる。
背中を鍛えるという“言い訳”で人として長い年月で得た動作の初動を捨てているのである。
連動のステップをわざと省略して“しまって”いるのである。

そのツケが他の場所、腱や関節にやってくる。
手首が痛い、肘が痛い、今度はストラップに加えて手首も、肘までも“ラップ”で覆うことになる。
いつの間にか背中を鍛えるのに、指、手首、肘に“何か”巻き付いている。
プレス系でも、ベンチプレスで、ストラップを巻き付ける。
本来、手のひらのどこかにバーを押し付け、手首から肘、肩関節の“軸”が一体になった時、押す動作は効率が良いはず。
握りながら、指を添えながらその位置を学んでいくべきなのに、省略してしまう。
反り返った手首、手のひらからの情報がストラップで覆われてしまったウエイトの刺激は反り返った手首まで何かに巻かれて不自然に肩や胸に伝わっていく。

それらトレーニングで握らなくても良い癖は、日常生活動作にも繋がっていく。
ドアのハンドルを、きちんと握らない、いや握れない。添えるだけの癖が付いているので、指先だけで、ドアノブを”握ろう”とする。
ジムでも、プレート交換でしっかり握らないため、大きなプレートを滑らして足に落としてしまうことにつながる。いずれも、指が痛い、手首が痛いと、トレーニングをよく知らない医者に“頼る”と、痛みを緩和するだけの薬“ペインキラー”を与える。
これもまたなぜそうなったのかを理解しない、させようともしない両者の安易な思惑が一致するため、痛み止めを与え続け飲み続ける愚行の結果、正常な痛みが身体の声であることを隠し続けたことが加わり、取り返しのつかない関節破壊に繋がる。
もっと知らない医者は、自己免疫疾患だと勘違いし、より強力な薬剤投与に踏み切ることになる。

自分の指先が、手のひらが、どうやって動くのか、うまく握ることは、肩こり、頭痛、そして種々の関節の痛みの予防にもなることを忘れないで欲しい。

 

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昭和32年生まれ 経歴:昭和57年宮崎大学(旧宮崎医科大学)医学部卒業  専門分野 脳脊椎脊髄外科 昭和57年からボデイビルを始める。ミスター東九州、ミスター広島(いずれもNBBF)優勝、NGAマスターズ優勝(USA)のタイトル。41歳で競技引退。 平成25年まで某ボデイビル月刊誌にて連載。筋トレセミナーを各地にて開催。その他、三輪書店、メディカルビュー社から外科手術用教科書執筆(共著) 趣味:ボデイビルトレーニング、筋トレマシン収集、読書、ピアノ 「ひげセンセのブログ」https://ameblo.jp/asaminaosan/

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