大胸筋を効率よく筋肥大させて、厚くカッコいい胸板を作るダンベルプルオーバーのやり方を解説します。
かっこいい身体を象徴する逆三角形のシルエットと横から見た時の胸板の厚み。身体づくりを行う際は、どちらも兼ね備えたいものですよね。特にこの上半身の3D感を出すためには、胸と背中の発達が不可欠です。
それに加え、胸郭の大きさというのも非常に大きく作用します。そんなわけで胸と背中に加え、胸郭を大きくすることにもプラスに働くトレーニングである、ダンベルプルオーバーについてご紹介します。
しかしながらトレーニング中級者以上の方であっても、どのようにこの種目を胸と背中に効かせ分けられるかがよくわからない方が多くいらっしゃるようです。今回は特に胸に効かせる方法をご紹介したいと思います。
ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位
筋肉にアプローチする観点では、胸および背中、つまり大胸筋、広背筋、大円筋などが主に鍛えられる部位となります。筆者の場合、大胸筋下部の輪郭や背中のアウトライン形成を特に意識して取り組んでいます。
胸郭へのアプローチについてもここで述べていきたいと思います。胸郭とは俗にいう背骨(胸椎)、と身体の前側にある胸骨、胸椎から胸骨に向かって籠のような形を作って存在する肋骨で形作られています。肋骨と胸骨が接する部分は軟骨になっており、呼吸の際に吸う/はくに応じて胸郭が大きくなる/小さくなる作用をつかさどっています。肋骨の軟骨が伸びる方向がダンベルプルオーバーの上腕の動きと一致しており、息を大きく吸った状態でさらに物理的にストレッチさせることを継続すれば、胸郭が大きくなるというわけです。息を大きく吸って胸に空気を入れた上でダンベルを下ろしてストレッチさせるというのが、胸郭へのアプローチとして意識する点です。
大胸筋トレーニングの定番種目であるベンチプレスやダンベルベンチプレスとは違ったどうさで大胸筋を鍛えることができますので、ベンチプレスばかりで成長が頭打ちになってきたと感じる方には特におすすめです。
ダンベルプルオーバーで胸を狙うやり方
ここからはタイトルの通り、特に胸に効かせる方法をご紹介いたします。
・シートに使用するダンベルを立てておき、肩甲骨がシートに乗るようにあおむけの状態になります。
・肩を下げ、胸の筋肉を収縮した状態でダンベルを胸の上で構えます。
・胸に息を入れて、大胸筋に負荷を乗せながらダンベルを頭の上を通すように下ろします。
・息を吐きながら大胸筋を収縮させながら元の位置に戻し、動作を繰り返します。
ダンベルプルオーバーで胸を狙う際のポイント
・収縮~ストレッチの意識を抜かない
筋肥大を目的としたトレーニング全体に言えることですが、効いているかがわからない種目については、対象筋を収縮させた状態から、その収縮が完全抜けないようにストレッチポジションに動作を移行することを意識しましょう。ある位置から負荷が抜けるようなことがあれば、抜けない範囲の狭い可動域から始め、徐々に抜けない範囲を広げていき、ストレッチをかけられるようにするのがおすすめです。
・下ろす際は肘をやや開く
特に背中狙いの差別化として、この点を注意すると意識がしやすくなります。開く分肘が曲がり、上腕三頭筋への刺激が入りやすくなりますので、胸への刺激が最大限になる肘の角度を調整して実施しましょう。
まとめ
今回は上半身を包括的に鍛えることが可能なダンベルプルオーバーを、今回は大胸筋への刺激と胸郭を広げるというアプローチでご紹介いたしました。たしかに対象筋に刺激を入れるコツがつかみにくく、現在採用される方が減っている種目という側面があります。しかし、大胸筋下部の輪郭であったり、胸郭へのアプローチであったりがこの種目特有の魅力です。上半身の逆三角形をさらに強調したい方は、導入をご検討をしてはいかがでしょうか?